億万長者の不幸

大金持ちになれば、なんの苦労もなく楽しく生きていける。
みなさん、そんな風にお思いではないですか?

もし貴方が莫大な資産を得て、セレブな大金持ちになったとしましょう。

友人だと思っていた人、知人からも、恋人からも、家族ですら、
貴方に金の相談を持ちかけてくる様になります。
様々な理由を付けて、貸してくれ、投資しないか、寄付しないか、買わないかと。

ある時にふと貴方は思い至ります。
(みな私の財産目当てなのではないか?)と。

誠実な異性と知り合って、貴方とのデート代を全額払ってくれても、
(結婚するまで猫をかぶっていて、そのあとに財産を取られるのでは?)
等と、疑心暗鬼のループにはまり、本当の愛が見えなくなってしまうのです。

大富豪と呼べる芸能人を思い浮かべてみて下さい。


ある国の第3夫人となった女性も、早くに父と死に別れ、初恋の人とは結核で死に別れ、母の死に目にも会えず、弟は自殺、夫も死去。彼女の人生には最愛の人物の死がつきまといます。
フランス時代でもスイスの銀行家の事業失敗で多額の借金を清算した後に、銀行家は行方不明となり彼女の前から姿を消しました。
その後公爵と婚約をしたものの結婚には至りませんでした。

お金もある地位も名誉もある。娘にも孫にも恵まれはしたものの、彼女の本当に欲しかった物は手に入れられたのでしょうか?
最愛の人物が相次いで亡くなっていく不幸。
莫大な金や名誉と引き換えであったとしても、相当なハードモードの人生でご苦労された事と思います。

人生はシミュレーションゲームの初期設定の様な物。

美貌と運と配偶者の財運に、数値を大きく割り振った分だけ、『死』という大きな不幸が続けざまに訪れました。彼女の人生の落とし穴、彼女の初期設定のひずみはそこにあったのです。

配偶者の死により、莫大な遺産を手に入れた後は『金』にまつわる不幸がつきまとい、結婚に至るような縁には巡り会えませんでした。

『お金抜きで私を愛してくれる人はいるのだろうか?』

貧乏だった時代にあっても、全身全霊で愛してくれた家族や恋人を思いだしては、孤独感と戦っておられるのではないかと思うのです。

禍福はあざなえる縄のごとし。

幸せが一つあれば、それに匹敵する不幸もやってくる。
そういう物なんだと思います。

お金持ちになった大スター。どの人を思い浮かべても、配偶者に恵まれず、子供運もあまり良くない。
そんな風に思いませんか?

人はお金があることによる不幸を、莫大な資産を得ることにより、
否が応でも味わう様になるのです。

周囲のお金持ちと比較し、羨み、ご自身の状況に不満を持つよりも、
今のささやかな幸せを大切にして生きてみませんか?

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