武田信玄勢の武将を故郷に連れて帰ったお話

長野への出張の前日、車で夜中に通りかかったある神社。
ここは真田信繁が戦死していたという神社。
私が幼少期を過ごした家のすぐ近くにある神社です。

大坂夏の陣では真田信繁が徳川本陣を狙って、何度か討ち取る寸前まで行ったという激戦区でした。
そのためか、未だにその当時の霊が出陣と合戦と退却を繰り返しています。

長野にはご縁があり、毎年のようにお仕事を頂いているのですが、
時間があればこの神社を参拝し、何体かを所領地にお連れし、真田家の菩提寺でお帰りになって貰うと言う事をしていました。

ところが先日は参拝する時間が取れず、夜中に神社の横を通った瞬間に思い出し、
(あ!今年は参拝できなかったので、お連れできませんね。すみませんねー)
と不意にさまよう霊に向けて、こちらからコンタクトしてしまったもんだから、さあ大変。

ええ。見事に偉そうな武将と軍勢に憑いて来られましたよ。


私(行かねぇ~つっただろーがよ、憑いてくるんじゃねーよ)
武将(連れて行け)
私(忙しいんだよ、寝る時間もないんだから、邪魔すんのはやめなさいよ)
武将(松代に行くじゃないか)
私(松代は行くけど、あんたの墓なんかどこだか知らねぇ~から!)
武将(菩提寺でいい)
私(主君のか)
武将(そう)
私(解ったから、私の中に入ってくるな。離れて着いて来いよ~)
武将(・・・・・・)

武将が引き連れてきたのは他に3体。
どうやら真田信繁を見失ったか、討たれた後に、責任感に駆られて、突撃し全滅した軍勢を率いていた武将の様子。
自分の墓や寺では無く、真田家の菩提寺に行き、許しを乞いたい気持ちがあったように思う。

新潟経由で所要があり、550キロの道のりを深夜一時にスタートして運転をし続ける。
運転中のクルマの中でも武将との口喧嘩合戦。

私(菩提寺で何をして欲しいんだ)
武将(弔え)
私(アンタをか?)
武将(・・・・・・)
私(部下を成仏させたらいいのか?)
武将(そう)
私(アンタは?)
武将(出来るか?)
私(やりゃ~いいんだろーが!解ったよやるよ!)

寺に行ってっポイと置いとく訳にはいかない、ややこしいのに憑いて来られましたよ。私。
さあ、どうすべか?と思いましたけど、まあお経の一つでもあげて貰えれば納得してくれるんじゃ無いかと思いました。



朝方になって菩提寺に電話で問い合わせる。供養のご祈祷には幾らぐらいかかるのかと。
すると想像以上の金額を言われて卒倒。ポケットに入っている金の3倍ほどの料金。
神社のご祈祷みたいに1万程度じゃないのね(;´Д`)

そこでまたひと悶着。


私「そんなご祈祷代なんて持ってねーから!私のお祈りで我慢せい!」
武将「金なら下ろす」
私「要らん!!自分の金は自分で稼ぐ!」
武将「路銀だ取っておけ」
私「要らんわ!!500年以上彷徨ってた様なバカと誰がそんな取引するか!!バーカ」
武将「・・・・・・」
私「そんな力があるんなら、世の中の可哀想な子供に下ろしてやれよ」
武将「うむ」


長野まであと100キロと言うところで仮眠を取ろうとしたが、もう全く眠れない。
眠ろうとしたら日が昇って暑くて眠れない。
クーラーかけても全く眠れない。
なんでこんなに眠れないんだ?と思ったら、

武将「早う行け」

だと。(;´Д`)

私(あああああああああ!!ちきしょう!!今日行けってか!!今行けってか!!昨日も寝てねぇよ、今日も眠れねぇ、このあと仕事なんだぞ!!いい加減にせぇよ!!事故ったらどうしてくれんだよ!!)
武将(守っておる)
私(解ったよ、行くよ、今から行きゃ~いいんだろーがよ)
武将(ニヤリ)

さあ、この意固地な武将を成仏させるのにどうすりゃいいんだ?と思って、除霊の得意な先輩にLINEしても既読にすらならない。
自力で成仏させなきゃいけないって事か。
あ~あ、ややこしいの拾っちゃったよな。と思いつつ高速を降り菩提寺への道すがら、山本勘助の墓という案内板を見てしまった。

私(山本勘助もこんな所にお墓があるのか~)
武将(連れて行け)
私(行かねぇ~!!菩提寺つっただろーがよ!!)
武将(連れて行け)
私(行かねぇ~つっってんの!!後で馬やるから、馬乗って勝手に行ってこい!!オマエの長野観光まで付き合ってられんわ!!仕事があるんだってーの!!)
武将(・・・・・・)

菩提寺に着いて真田家の墓を一回りした後、案内の方に話を伺う。
「真田信繁がどこで戦死したかは諸説ありまして、墓も全国に沢山あります」

霊視してみれば首を切られているイメージが帰ってくる。
そこに悔しい思いは無く、瀕死状態で諦めて自ら首を差し出したか、部下が主君が戦死したと解らないように首を持って去ったか、そのようなイメージが帰ってきた。
私が住んでいた神社で命を落としたのは間違いないだろう。

賽銭箱に千円札を入れ、祈りながら馬を下ろして貰う。


私「何色の馬がいい?芦毛か白馬か?」
武将「黒い鹿毛を」
私「解った」


祈りと共にサラブレッドのように立派な裸馬のイメージを得て、それを武将に託し、天国へ通じる光のトンネルを下ろしたら、


立派な金色の房飾りや鞍をつけた馬にまたがった武将が、天へと帰って行く後ろ姿だけが視えた。

黒光りする程立派な毛艶の馬に、豪華な装飾品がちりばめられ、槍を持ち、頭巾のようなものを頭にかぶった武将の後ろ姿は、胸がドキッとするぐらいに雄大な男性像だった。

鎮魂と浄化の為の御真言を唱え、天へと駆け上って行った武将に対し
『学びをありがとう』
と言う気持ちで見送った。


後日連絡が取れた除霊を得意とする先輩に聞いてみると、武将からの私への伝言があるという。


武将「足にして悪かったな。路銀は下ろす」

との事。



「お金は要らないよって言っておいて下さい。お金以上の学びがありました。楽しいヒッチハイクでしたと伝えて下さい」



あれから時々思い出しては、何の意味があったんだとか、色々考えますが、その度にニヤニヤした顔の武将が視えるので、


マ ジ で ム カ つ き ま す (笑

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